Android 端末を持っている人なら誰でも一度は興味を持つであろう Android の root 化。
しかし、そのなんたるかをよく知らずに root 化してしまうのはとても危険な行為です。
そこで今回は、長年 Android を愛用している私が、これから Android を root 化しようとしている方に是非とも知ってほしい 5 つのことをまとめました。
そもそも root 化とは
端的に言うと、Android における 管理者権限を取得すること です。
この権限は root 権限と呼ばれ、システムの改変や CPU の制御など、Android におけるほぼすべての操作が可能となる非常に強力なものです。
しかしながらその強力さゆえ、理解のない人が扱うと端末の正常な動作にさえも支障を及ぼしかねないため、通常ではユーザーに root 権限は与えられていません。
それでも何とかしてその強力な root 権限を扱いたいという人が、システムの脆弱性などを利用してその権限を奪取する行為こそが、Android の root 化というものなのです。
メリットとデメリット
強力な権限を扱うがために、以下のようなメリットとデメリットが発生します。
root 化を考えているのなら、まずこれらを理解する必要があります。
⭕ メリット
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通常は無効化できない不要なシステムアプリを除去できる。
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カメラの無音化やフォントの変更といったシステムの改変を自由に行える。
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CPU や通知ライトといったハードウェアも制御できる。
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端末を自分の思うままに操っているという満足感が得られる。
❌ デメリット
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誤った操作によって端末が 起動しなくなるリスク を伴う。
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キャリアやメーカーによる 保証の対象外 となる。
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root 対策を施されたゲームアプリが起動できなくなる (パズドラや FGO など)。
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セキュリティ上の安全性が失われる。
リスクと対策
先に述べたように、Android の root 化には、端末が起動しなくなる状態 (いわゆる 文鎮化) に陥ってしまうというリスクがあります。
もちろんそれは勝手に起こるのではなく、ユーザーの誤った操作によって起きるものなのですが、慣れないうちは得てしてやってしまいがちなのです。
そこではじめのうちは、カスタムリカバリーなどを利用して、定期的にシステムのバックアップを取っておく ことを強くお勧めします。
バックアップを取っておけば、仮に起動できなくなっても、復旧できる場合があります。
といっても、復旧すらもできない状態に陥ることもあるので、root 権限を扱うときは常に 細心の注意を払うこと が重要です。
権限の管理は慎重に
root 化によって得た root 権限は、すべてのアプリが使用できる状態だと危険なため、それを管理してくれるアプリを導入します(通常 root 化の作業行程でこの管理アプリをいれることになります)。
管理アプリには SuperSU や Magisk などいくつか種類がありますが、基本的な機能はどれも同じで、他のアプリが root 権限の使用を求めたときに、許可するか否かの判断をユーザーに尋ねるというものです。
そして、ユーザーが気を付けるべきは、root 権限の使用を むやみに許可しない ということです。
前述のとおり、root 権限は非常に強力なものであるため、悪用されたときの被害 は計り知れません。
そのため、root 権限の使用を許可するのは、信頼のおける開発元のアプリだけに留めておくことを強く勧めます。
また、管理アプリには一定時間のみ使用を許可する機能もあるので、それを積極的に利用するのも良いでしょう。
root 化ツールに要注意
ネット上には Android 端末を簡単に root 化してくれるツールが多く出回っていますが、それらの一部は、Android を対象とした ウイルス であったり、root 化はしてくれるもののシステム内部に 不正なアプリを仕込む悪質なもの であったりします。
そのため root 化ツールを利用する場合は、そのツールの開発者やそれを紹介しているサイトが本当に信頼できるものであるかを、事前に きちんと調べておく 必要があります。
紹介するサイトが不自然な日本語で書かれていたり、すべての機種に対応などと謳われている場合、そのツールは不正ソフトである可能性が高いです。
まとめ
Android の root 化は、いくつかのデメリットが生じるものの、きちんと理解してから行えば、iOS の脱獄とは比べ物にならないほどの広い世界を味わうことが出来ます。
この記事を読んだ皆さんが、root 化に対する知識を少しでも深めて、その広がりを体感してくれたらいいなと思っています。